なぜやまそらここ

山のこと ギアのこと 日々のこと

ギア:歴代のバックパックたち

ハイキングに欠かせないバックパック

山へトリップしに行くにも、最低限の装備を持って行かなくてはいけない。手ぶらでいけたらどれだけ楽だろう。でも日々、探し選んだギアたちをまとめて背負って登れる喜びは何ものにもかえられない。身体ひとつで自然の中に飛び込む時、最低限身を守るものと、ほんの少しの贅沢を詰め込む魔法のバックパック


山と関わりを持つようになってからは、バックパックに魅力され続けている。背中はひとつしかないのに、ついつい色々なメーカーの新しいモデルが気になる。そんな中でも個人的に縁があった歴代バックパックたちをまとめてみたよ。

 

f:id:mok396:20180817203444j:plain
パイネ70L / PAINE 70L (モデル名不明)

メーカー: パイネ(石井スポーツ
容量: 70L
重量: 不明
購入年: 1998年

一番最初に買ったのは、地元新大久保のICI石井スポーツ石井スポーツの記念すべき1号店は新大久保からスタート。今は店舗はなく韓流グッズのお店)で、PAINE(石井スポーツ自社ブランド)のエメラルドグリーンの70Lのザックだった。今思えばアルパイン仕様だったと思われる。すっとしたシルエットとカラーが気に入っていた。
そもそもは山に音楽を聴きに行くようになり、そこにいる人々が皆、小汚いバックパックを背負っていた。トラベラーなのかヒッピーなのか・・・ そんなものに憧れたところからだった。
実家から歩いて10分のところにあった石井スポーツにふらっと入っては時折暇つぶしのため日々眺めみていたバックパックと、小箱や野外で電子音のなか踊ることが趣味からライフスタイルへと切り替わる時期に、ごく自然にクロスして手に入れていたこのPAINE 70Lが、記念すべきバックパック第一号であった。
 

f:id:mok396:20180817202624j:plain
20 アンプ / 20 amp

メーカー: マックパック(macpac)
容量: 20L
重量: 720g
購入年: 2001年

バックパックのなんでも入る・詰め込める便利さから街でもMacpacのamp20をいつも背負うようになっていた。当時の通勤やどこへ出掛けるのにもだいたいこれを背負っていた。(街使いとしてはヒップベルトは太めでだらしなく垂らして使っていたのだろう、きっと)
素材はSilnylonで、しばらく使わずに収納しておいたら内側がベタついてしまって悲しい結末を迎えさせてしまったザックである。

amp20は雨蓋が垂れやすい構造だったがとてもイカしたデザインでとにかくカッコよかった。両サイドにメッシュポケットがついていてフロントはバンジーコードのみが付いているとてもシンプルなデザイン。Macpacはロゴもいけてる。このバックパックへの愛着心からか未だにMacpacは好きなブランドのひとつである。

f:id:mok396:20180817202807j:plain
チャチャパック35 / Chachapack35

メーカー: モンベル(mont-bell)
容量: 35L
重量: 1,300g
購入年: 2002年

当時のフェスみたいなものに数回行くうちに、PAINEはデカイということに気づいた。いつも上のほうがクニャぁとなっていたから。
同じく新大久保の石井スポーツで、ZeroPointのチャチャパックを買った。当時はZeroPointががモンベルのものとも知らはずもなかった。
現在もチャチャパックのラインナップは引き続きあるようだけど、このモデルはメイン室にアクセスしやすいサイドジッパーとなっていて当時これに感動した記憶がある。サイドジッパーのつくりはこの時から、のちのバルトロあたりまで常に気にして選ぶポイントになった。重さ云々など考えることもなく、使い勝手が良い!という点でとても気に入っていた。ボディーカラーも渋いアスファルトブルーで気に入っていた。いくつものフェスや旅行を供にしてきた相棒であった。
のちに初めて登山らしい登山として、「魂を揺さぶる旅~赤岳」にいった時に担いでいったのもこれであった。

f:id:mok396:20180817203545j:plain
タロン44 / TALON 44

メーカー: オスプレー(OSPREY)
容量: 44L(M/Lサイズ)
重量: 1,180g
購入年: 2012年
カラー: インディゴ
背面長: 48.3cm以上(M/L)
寸法: 縦69x横25x奥20cm
素材: 70x100Dナイロンシャドウチェック、ストレッチウッブンナイロン/ライクラ、160x330Dナイロンシャドウボックス

店でググっと来てしまったシンプルで軽量なモデル。一つ前のZeroPointはサイドジッパーがありとても便利だったが、こちらはボトム部分が開き使い勝手に遜色がなかった。フェス系とは持っていくものが変わり、寝袋やクッカー類をボトムに入れる際に重宝した。サイドにはペットボトルを入れるポケット、ウエストベルトにはポケットもついていて、オーソドックスな登山・ハイキングでの万能型といえるモデルだと思う。このモデルからOsprey独自のトレッキングポールアタッチメントが追加されたようだ。これはトレッキングポールを侍のように、一時的に腰に携えることができてネット上でも評判である。Ospreyはデザインがじわじわと好きでなくなってしまった残念なパターンではあるのだけど、非常に背負い心地が良く、良いザックを展開しているメーカーに違いはないと思う。
正直、ULだなんだと言わなければ、石井スポーツやL-Breathに並んでいるブランドのザックを選んでおけば、それはそれで間違いはないのである。その中でもGREGORYとOSPREYは背負いやすさでは大きなハズレはないような気がしている。
雨の甲斐駒ヶ岳にてデビュー、山に登れずに帰宅した悲しい星に生まれてしまったザックである。(いつかいかないと甲斐駒!)
 

f:id:mok396:20180817203621j:plain
ライトウェイトトラベルパック / Lightweight Travel Pack

メーカー: パタゴニア(Patagonia)
容量: 26L
重量: 323g
購入年: 2013年
カラー: ブルー
寸法: 47x29x15cm
素材: 1.8オンス・40デニール・ダブルリップストップ・ナイロン100%、底は6.3オンス・210デニール・ダブルリップストップ・ナイロン100%

中のポケットに本体を収納可能なパッカブル仕様で持ち運びが容易にできるため、アタックザックとして使用。
トップは雨蓋式で、メインコンパートメントの開口部はドローコードでしっかりと閉じることができる。小物を入れてるポケット、左右にはペットボトルが入るメッシュポケットを完備。デイジーチェーンがついているので、バンジーコードなどを付けることも可能。トレッキングポールを引っ掛けるループもついている。バックパネルはクッション効果のある軽量なフォーム製で、通気性を備えたショルダーストラップ、胸のストラップとウェビングのウエストベルトが荷重を分配して肩への負担を軽減するような作り。中身がそこそこ入っていないと立たない・カタチが崩れるのは致し方ない仕様。もっともこれにパンパンに入れるようなら別のザックでも良いとは思うのだけど。
このクラスの簡易なバックとしてはかなりの作り込みを随所に感じずにはいられず、さすがパタゴニアといったところ。現在は廃番となっているようだ。

f:id:mok396:20180817203643j:plain
バルトロ65 / Baltoro65(旧モデル)

メーカー: グレゴリー(GREGORY)
容量: 65L
重量: 2,550g
購入年: 2014年
カラー: ブルー
サイズ: M
背面長: 46~51cm

この頃から合間を見つけては、数ヶ月に1~2回のペースで山に行くようになった。日帰りからテント泊での山行を好むようになり、山でくつろぐことに重点をおく考え方に変化していった。
ただまだ登山において、何を持って行くかなどはざっくりとしたお祭りの延長感覚で、1000gはあるBluetoothスピーカーやたくさんの着替えや調理器具などを持っていっては使わずに帰るなどを繰り返していた。そのことに疑問を感じることもなく、44Lに限界を感じて手を出したのが、旧モデルのバルトロ65Lである。こいつはモデルチェンジ前に半額セールで新宿のL-Breathにて購入。

当時はトータルウェイトで15~18kgくらいは背負っていたと思う。ただバルトロだととても楽に背負えるのである。これには感動をした。さすがバルトロ、高い評価にうなづけた。
バルトロ自体で2.5kgほどありUL全盛のこのご時世には重いザックであると言える。ただし腰へ重量分散して背中にもよくフィットすることから非常に楽に感じるのである。これは今でも思うのだが、バルトロ自体の2.5kg強の重さは、背負い心地で相殺されるのだろうなーと。

例えば、①荷物13kg+バルトロ2.5kg=15.5kg ②荷物13kg+ULザック0.5kg=13.5kgとした時に、2kgの差があっても楽で長時間の山行に適しているのはきっと①のバルトロだ。
ULザックはあくまで、トータルウェイトとザックの構造のバランスによるものであり、12kg以下くらいに落とさないと、なかなかその強みを活かせないと思う。(500gくらいのバランスの良いULザックもあるかもしれないが)

そんなわけでいたく惚れ込んだバルトロは、テント泊や単独行が増えるたびにメインのバックパックとして活躍する機会が増えていった。アクセスしやすいジッパー、たくさんのポケット、取り出しやすいボトルホルダーなどなど、各パーツは美味しいとこどり、至る面での完成度がとても高いザックであり、バックパックの歴史の中でこのモデルは外すことは出来ないものだと思う。
もし数回の山行を経て、登山装備も少しそろい始め、「テント泊をするため=ステップアップのため」にバックパックを探していると言う男子がいたら、間違いなく候補のひとつとしてバルトロはおすすめすると思う。
 

f:id:mok396:20180817203749j:plain
コブラ25 / COBRA25

メーカー: モンテイン(MONTANE)
容量: 25L
重量: 730g
購入年: 2014年
カラー: グレー
素材: RAPTOR TL、RAPTOR UTL、HALO、GRANITE STRETCH、CONTACT Mesh

ソロ日帰り 兼 アタックザックを想定して、デザインに惚れ込んでしまい購入。
モンテインのザックは初めてだったが、使い勝手は良かった。なぜか各パーツのプラスティック部分(チェストストラップ、ジッパー、コードエンド等)が妙にかっこよい独自パーツ(MOTANEならでは?)を採用している。
本体は一室で入り口は上部のみだが、ジッパーが広いつくり。サイドにポケット、ウエストベルトは右にポケット(大きさは半端で使い勝手イマイチ)左にカラビナループがついている。トレッキングポールかアックスもつけることができる。ハイドロネーションにも対応。そしてこのモデルの大きな特徴として、フロントに大きな持ち手が付いている。本来はアルパインや雪山を想定してのつくりなのかもしれない。

f:id:mok396:20180817203807j:plain
リッド25 / LID25

メーカー: ポールワーズ(POLEWARDS)
容量: 25L
重量: 910g
購入年: 2015年
背面長: 43cm
寸法: 高さ 55x横幅 67x奥行 15cm
素材: Nylon 210D

このサイズのザックはすでに街用ではBACH Shield 22、山用としてもMONTANE COBRA 25を持っていたのだが、錦糸町のL-Breathでふと出会ってしまった。POLEWARDS=南極のロゴもカッコイイナ~なんて浮ついた気分になり 500円割引券を差し出して購入してしまった。
雨蓋の開閉を行わないでも、左サイドからのアクセスが可能。右サイドからは、PCスリーブもついている。さらにフロントに大きめのポケット、上部にも小物を入れられる仕様。どこも開閉部はとても長くて物の出し入れはしやすい。また雨蓋の開閉時は、フックを引っ掛けるだけになっていて、ついここに惚れてしまった。
が、しかし...なんだ。この惚れ込んだフックがいただけなかった。実際に使ってみると、よく外れるし通勤中の人波のなかでは知らない人のイヤフォンや服の端なんかに引っかかること数回・・・とよろしくなかった。構造的にはPCを入れられたり、各部アクセスしやすく適度な大きさで、街での使用には向いている構造に違いはないはずなのだけど、このフックが・・・結果振り返るといまいちな印象となってしまった。最近、このようなフックを使ったULザックも目にするが個人的にはこのフックを使ってある時点でまず選択肢には入れないだろうなぁ(実際そのものを使ったことはないのですけどね)

 

f:id:mok396:20180817203825j:plain
30Lバックパック / 30L Backpack

メーカー: アンドワンダー(And Wander)
容量: 30L
重量: 605g
購入年: 2016年
カラー: ブルー(Urban Research別注)
素材: ナイロン100%(一部ポリエステル)

インビスタ社のコーデュラナイロンオックス生地を使用した軽量バックパック。裏面から通常PUコーティングの6倍劣化に強いポリカーボネートコーティングを施しており、耐水圧2,000mmと優れた防水性能。雨蓋はフロントバックにしてマップポケットとしても使用可能。というのがオフィシャルの説明。ただしいくつか致命的だなという点がある。まず、雨蓋がきちんとロールアップに被せる事ができないため、雨のときはザックカバーが必須。本体の高い防水性も意味がなくなる。また、左右のインプレッションの位置が上すぎるために本来の機能として使うことが難しい。
このメーカーはウェアをふくめて非常に大好きではある。街用の洋服は何着も持っている。ただ、やはりアパレルブランドというか、その域なのである・・・。登山メーカーにはない斬新なデザインがたまらない魅力である反面、それが登山のアイテムには不要であること・本来の機能として足りていない。もちろん日帰りハイキングなどには良いのだろうけれども、その日帰り登山x2回ほどで、そういった部分が使うほどに分かってしまい感じてしまった。だから山には背負ってい行きづらいというところに落ち着いてしまったのである。このバックパックも非常に魅力的でかっこいいのだけどね。

f:id:mok396:20180817203842p:plain
20Lバックパック / 20L Backpack

メーカー: アンドワンダー(And Wander)
容量: 20L
重量: 405g
購入年: 2016年
カラー: ブラック
素材: ナイロン100%(一部ポリエステル)

ポケッタブル仕様なのでアタックザックとして。やっぱり見た目はなんだか良いし。そう思って半額以下で出ていたのでつい購入。
摩耗や引き裂き、擦り切れなどに強い耐久性に優れたのコーデュラナイロンのオックスフォードクロスを使用。裏面には劣化にも強いポリカーボネートコーティングを施した優れた防水性能。と30Lと同じ仕様である。底部にはマットやチェア、メッシュ部分にボトルなど収納できるつくり。30Lのものよりもシンプルな分使いやすいが、フロントのメッシュが、サイドまでは伸びていないため(縫い付けられている)、いちいちバッグを下ろさないとアクセスできない。街でのちょっとした買い物、余裕があるときのアタックザックとしては使い勝手は良い。
現在は相方の通勤用として活躍をしている。よかったよかった。

f:id:mok396:20180817203904j:plain
1800サミットパック ブラック / 1800 Summit Pack Black

メーカー: ハイパーライト・マウンテンギア(HYPERLITE MOUNTAIN GEAR)
容量: 30L
重量: 402g ※Staff Pocket (108g)とWater Bottle Holder(57g)をつけて 567g
購入年: 2016年
カラー: ブラック
素材: 150D Cuben/Polyester Hybrid
最大積載重量: 11kg
寸法: 高さ 69x幅 39x奥行 15cm(高さはロールトップを広げて計測)

ロールトップ式のシンプルなザック。シンプルではあるが生地には150D Cubenを使っている。しばらく使っているとシワシワにはなりやすい特性はあるものの、とても強く藪や岩でも気にならない。そして防水性も高い。Silnylonなどの不安と同居することのない、非常に信頼がおける生地(スペック)である。
つくり自体は非常にシンプルな寸胴型で、単体ではフロントにもサイドにもポケットなどがない。フロントにデイジーチェーンに通されたバンシーコードがあるだけである。そこでHMG社からはいくつかオプションを出している。Summit Stuff Pocket(写真は装着したもの)やPorter Water Bottle Holder-20oz Bottle、Shoulder Pocketなど。これらをつけることで小物を携えるようなハイキングでの使用が格段にしやすくなる。
実際におれは、右側にHMGのPorter Water Bottle Holderを、左側に山と道のZip Packを縦に、左ショルダーにShoulder Pocketをつけている。
そもそも、テント・寝袋を詰め込めるサイズではないので、日帰りもしくは山小屋利用、タープやツェルトなどに限られる大きさである。最大積載重量 11kgというように重いものを背負うわけではなく、せいぜい5kg程度になるはずなので、日帰りハイクならこれで十分なのである。

昨今のULブームについて興味はあったものの、どちらかというと、山登りは大きなザックを担いでナンボ。つらくても体力と気合があればおおよそはクリアできる的な考えを持っていたりもした。バルトロの背負い心地にも満足していたし。
「山は一歩一歩進めば頂上にたどり着けるよね」
この考え方を、あまりに素直に捉えると・・・ 遅くても辛くてもたどり着けるなら良い。みたいな解釈になる。(この考え自体は根底にあり今もそれが揺るぐことはないのだけど)
これは間違えではないのだが、ここに効率化を掛け合わせることが、気楽で、あわよくば早く、行けない遠くまで行くというところに繋がっている。
何しろ都内から電車で山に向かうと、登山口到着x山行時間x日帰りorテント泊=歩ける距離や行ける山の範囲となる。これを変えるには山行時間を短くすることが努力しやすい部分だったりもする訳で、故に軽くして楽に遠くに行ければ・・・的なそんな考え方が自分なりのULの解釈の一部である。(ULの根底の思想とかはまたどこかで・・・)

それをこのパックパックを担いで山に登ったときに感じた訳なんだ。使い勝手は大手メーカーのつくる、収納力やアクセスにしやすさなどはあえて削っているため落ちるのだが、そこは無骨で、慣れてしまえばなんてこともない。何より軽快にいける。いつだかそちらに心が傾いた。そんな転機をくれたバックパックである。
最近は気に入りすぎてふだんも使いまくっている。日常の小物を多く入れると下部のみに荷物が偏り型崩れしてしまいイマイチになるので Onda Mat IIを適当な大きさにカットしてくるくると丸めた物を入れて型崩れを抑えている。
 

f:id:mok396:20180817204203j:plain
バルトロ65 / Baltoro65(2017モデル)

メーカー: グレゴリー(GREGORY)
容量: 65L
重量: 2,300g
購入年: 2017年
カラー: シャドーブラック
サイズ: M
背面長: 46~51cm / 18~20cm
寸法: 79x38x36cm

グレゴリーのバルトロが4年ぶりにモデルチェンジ。ロゴも新しいものに変更された。
ショルダーハーネスとウエストベルトの自動フィット機能により、歩行中も体の動きに合わせて軽快にフィット。また、背面部分のワイヤーフレームが重心の位置を調節。さらに、レスポンスA3テクノロジーにより、肩の傾斜具合に合わせられる機能付き。
腰部分に付けられたシリコンの滑り止めにより、動いているときも安定感が得られ、取り外し可能なEVAシムは腰の形状に合わせて2段階で調節可能。バックパネルに設けられた通気孔により、汗をかきやすい背中も長時間快適に過ごすことができる。
フロントポケットは上下に大きく開くことができ、底からも荷物を簡単に取り出せる。雨蓋ポケットは2つに仕切られ、分けて収納できる便利な構造。ヒップベルトのポケットは防水加工されていて、iPhone7がぎりぎり収まるサイズ。
これは会社の登山部の友人とスペインのTrekinより個人輸入により半額くらいで購入。色違いでそろえてみたりした。ただまさかの半年後にマイナーチェンジをして、原稿モデルはフロントにメッシュポケットが付き、背面がメッシュになっている。これはちょっと泣けた。 

f:id:mok396:20180817204220j:plain
2400 ウィンドライダー ブラック / 2400 Windrider Black

メーカー: ハイパーライト・マウンテンギア(HYPERLITE MOUNTAIN GEAR)
容量:40~50L
重量: 880g(うちアルミフレーム2本で106g)
購入年: 2017年
サイズ M
カラー: ブラック
最大積載重量: 9~18kg
背面長: 43.2~48.2cm
寸法: 高さ 75x幅 32x奥行 18cm(高さはロールトップを広げて計測)
素材: 150D Cuben/Polyester Hybrid / 付属部分 210D Dyneema Nylon / Mesh部分 Hexagon Grid Nylon

ULのことを知るたび調べるたびに稀に出てくるHyperlite Mountain Gear。このメーカーのフラッグシップモデルである。
テント泊に40Lほどの大きさのザックを探していた。山と道と迷ったりもしたが、積載重量を考えると当時の持ち物ではどうしても山と道は手が出せなかった。UltraLight(ベースウェイトが4~5kgが目安)に特化しすぎた構造は、おれの山行スタイルとは折り合いがつかなかったのです。そもそも快適性をそこまで削るつもりのないので、実際には6kg前後、これに食料などを加えて+2〜3kgとなると山と道では心ともなかった(実際はMINIを使ったことはありませんが)

2400は、Windrider と Southwestがあるわけだけど、視覚的に何が入っているか分かりやすいだろうという理由でWindriderを選択。もちろん雨がきたら、Southwestのほうがすこしばかりの安心感はあると思うのだが、濡れてまずいものは中に入れてしまえば良い。まぁ見た目で気に入った!というのが本当の理由でもある。

実際に使ってみて。
バルトロの背負いやすさとはまた別の背負いやすさがあった。UL仕様に近いザックとは言え、完全に腰荷重を考えていない訳ではなく、しっかり機能するウエストベルトと、なにより背中に入ったアルミステー2本のおかげで背筋がピンとして肩と腰に荷重が分散され、背負いやすいのである。

積載重量が9kg~18kgというのも頼もしい。(実際には12kgくらいまでにした方がザック自体へのストレスもなく寿命も延びると思う。いまはテント泊でベースウェイトで5.5kg、トータルウェイトで7〜8kgに調整が出来るようになってきた。)
このステー(106g)は取り外すことも出来るので、重量が軽い時には、ザック自体をさらに軽くすることも可能である。

また、容量は 40~50Lとあるがそれほどロールトップは長いわけでもなく、ここを留めるストラップに余裕はない。ここは唯一惜しいなと思う点である(ストラップはぜひ長く仕様変更してほしい)。

短いながらもどうにか、ロールトップに山の道 Stuff Pack XLが付けられるので、45~50リットル前後での使い方が可能である。両サイドのヒップベルトのポケットは思いのほか大きく、iPhone7、タバコ、携帯灰皿、行動食が収まる。
本体自体が防水性の高い素材ではあるのだが、インナーにEXPEDのパックライナー UL50を入れて完全防水としている。このパックライナーはこのモデルのために在るのではないかというほどサイズがどんぴしゃだ(70×35×25cm)。白・黒モデル共に大きさに違いはないと思うので、HMGの2400シリーズを使っている方はおすすめです。カラーもオレンジで視覚的にもモノが探しやすくなる。
当時、3400も欲しいなと思ったのだけど、やはりロールトップ型の40Lクラスとなると物の出し入れは楽とは言いづらい。ここの部分が伸びることは時々のストレスになるのではないかと想像ができる。なので個人的にはどうにか2400で収まるサイズにしての山旅がベターなのかなと思っている。(2400 Windriderをたまに出会ううちはうれしさが沸いて、所々で見るくらい流通しだすと出会いは萎えに変わるのだろうけど笑)

さて。そんな折、小噺をひとつ。
登山中に出会った方と緊急避難小屋で夜に語らったことなのですけどね。

ハイパーライトギア 2400(白)を使っていた彼は、今はゴッサマーギアのゴリラを携えていた。HMGの黒は当時は比較的めずらしく、HMGはカッコ良いよね~と笑顔で話しかけてくれたのだった。彼曰く、2400の白は本体素材が 50D Cubenであるため(黒は150D Cuben)、フロントのセンターデイジーチェーンを持ちザックを上げ下げしていたら、周辺が少し破れそうになり、繊維剥がれのようになってきたとのこと。フロントのデイジーチェーンと首後ろ部分の縫い付けのある持ち手の2箇所を同時に持つのが良さそうである。
また、担ぐ時にいつも片方の肩ばかりで担ぐとやはり縫い付け部分がへたるようだ。(これはなかなか難しいよね、おれはいつも左肩からしょってしまう…)

ゆえに公表上の耐重量よりも軽いウェイトでいるのが前提なのかな~思った。感覚としては、~12kgまでには抑えて、そもそも扱いを丁寧にと。個人的には、キューベン素材はそれほど強くないと感じている。逆にスレなどは発生しやすい感覚である。キューベンは伸縮性はないので、乱暴に扱えば、そのストレスはモロに素材にかかるわけで、メーカーやショップのうたう強い素材というのは、あくまで売り文句なのだと認識しておかないと、寿命を縮めてしまう。背負い心地は良く、非常に洗練されていて、とても気に入っているだけに、丁寧に扱わないといけないなというメモ

そしてもうひとつ。
ZpackのNero 38Lを某ショップで見てかっこいいな~と浮気心も出たりした。その時にHMGとNeroの両方を使用経験ある方と話をしたのだけど、HMGは裁縫が半端ない(強く良い)との話を伺った。Zpackのものはどうしてもヘタリや裁縫部分からの壊れがあることを考えたほうがいいよと。キューベンファイバーを使ったザックはいくつもあるが、縫い目ってのはザックの寿命を左右するものでとても重要な点ではあるもんね。

※2018年暮れあたりだろうか?HMGのメルマガでヒップベルトのポケットが大きくなったとのお知らせが来ていた。おれのはその点、旧モデルとなるわけだが、iPhone7も入るのでおおよそ問題はない大きさである

※HMGからNORTHRIMというモデルが2019年4月末あたりからリリースされている。3400と4400で2400のサイズはないようだけど。これはホワイトカラーだけどファブリックはDCH150と記載されているので、WindriderやSouthwestの黒モデルと同じようだ。こちらのモデルを使っている人や使用感をまだ目にしませんが気になるところ。

 

f:id:mok396:20180817204242j:plain
バカボンド / VAGABOND

メーカー: ゴッサマー・ギア(Gossamer Gear)
容量: 23L
重量: 510g
購入年: 2018年
素材: Custom 210 denier Robic / Extreema Grid

デュアルトートハンドルとトップがジッパーというのが特徴的なデザイン。
ショルダーパーネスは十分な暑さの型入りのメッシュ、チェストハーネスは取り外しが容易で体型にあわせて上下ができる。背面パッドも2cm厚くらいのメッシュが入っている。ウエストベストはついていない。
正面には左右にデイジーチェーンが付いているのでカスタマイズも可能。サイドにはインプレッションのようなものが付いているがだいぶ上のほうなので、本来のインプレッションというよりは、サイドポケットと合わせて長いものを抑えて収納するような用途として使うものだろうか。また、防水性はトップがジッパーということもあり、突然の雨などでの対策は必要そう。
日帰り登山というよりも、やはり、このバッグはどちらかと言うとタウンユースで使うことで、じわっと使いやすさを感じて愛着を得ていくのではないかと思う。ゴッサマーギアからのリリースではあるけど、きっとそっち方面へのアプローチなのだろうと。
なにしろ、それなりの小物を持っていないと不安な都会人(おれ)とかには安心感を与えるような収納性がある。サイドのメッシュポケットと、正面の大きなメッシュポケットは広く外から物も見えない。内部はハイドレーション部分に13インチのノートも楽々と入る作りでこの面にキーチェーンが3つついている。反対にはメッシュの小さめのポケットがあり小物を収納可能。背負い心地も悪くない。

 

◆おわりに

実はここに並べたものはもう手元に無いものの方が多い。残っているのは、HMGの2400と1800、VAGABOND、And Wander 20Lの4つだけ。あとの10つは旅立たれました。

 

また、通勤で数年使っていた BachのShield22はここには書かなかったけど、かなり優秀なバックパックです(街用として)。

山用といっても、冬や岩や沢はやらずの3シーズンのみなので、基本は山登りと言うよりもハイキングなんだろうなと最近は思っている。だから用途も単純で限られてるはずなのだけど、バックパックがただただ好きなんだ... 見ているだけで幸せな気持ちになるし。

色んなものを詰め込めて、一緒に山頂まで登るバックパックたちはいつも頼もしいし、店で見かけるバックパックたちはいつも魅惑的だ。ついジッパーを開き、構造を確認してしまう

これだけ色々みてきても、辺りを見渡すと if you haveのhug、Six Moon DesignsのMinimalist、山と道のONE、ZpacksのNero…と興味の際限はない。

しばらくは2400と1800がメインというのは不動な気がする。
結論、HMGは素晴らしすぎる。

あ〜そんな書いてたら、はやく荷造りをしたくなるなあ。