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山行:鳳凰三山縦走「青木鉱泉発~地蔵・観音・薬師周回コース」

今回もソロテント泊、電車で青木鉱泉へ。

どうしてもスタートが遅くなるので、初日8/4に前乗り気分で青木鉱泉でテント泊して、8/5に鳳凰山荘テント泊、8/6に下山のつもりだった。
バスの待ち時間に韮崎駅のタクシー運賃表を見に行くとお二人の方が看板を見て「青木鉱泉…むにゃむにゃ」と言うのをたまたま小耳に挟んだ。迷うこと2秒...相乗りをお願いしました。即快諾をいただきまして…本当にありがとうございました!おかげで鉱泉入りがバスよりも1時間20分ほど早まった。すべてはここから予定が変わってきたのでした。
なにしろ8/6の天気が微妙そうだったので、もう心は1日前倒しのタクシー車内でした。


青木鉱泉はタクシーで40分くらい。思っていたよりもとてもきれいな宿!といった感じでした。目の前の広場には6~7の大きなテーブルと椅子があり身支度にもゆったりとしたスペースが。脇には自販機と水道水がひいてあり、その横に登山届けのポスト。入り口手前には男女別々のきれいなトイレもあり、温泉も入れることから駐車場やテント場なども完備された非常に大きな敷地面積をもつ施設でした。

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(青木鉱泉。泊まってみたくなったよね。温泉受付は右端からどうぞ~)

さてさて。流れかノリかはたまた何かの導きか・・・

急遽、鳳凰山荘での一泊目めざしていざ!
履いていなかったタイツをこの写真のところ(野外)で恥ずかしげもなく履きまして…ドンドコ沢登山道へ!
ドンドコ!ドンドコ!!

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(ドンドコ!ドンドコ! 2018年8月4日現在で工事の為、スタート地点一部迂回ルートになってました)

って、名前はおちゃめで可愛いんだけど、実際はほぼ急登ばかりで、睡眠時間&飯もろくに摂ってないノープランで中盤から足が釣りまくってアィィィンとなること5-6回。正直なんども「色々と万全でなく休憩も取れないプランはいかんな」と…ようかん食いながら後悔もしたりして。

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鳳凰山荘の手前で沢に当たったあたり右上にはオベリスクが見えてくる。間近にはもう山荘ってこともあり疲れは吹っ飛ぶ!裏腹に左足は釣る釣る。この3人とはいっときパーティ化して仲良くすすむ)

でもね、その甲斐もありこの2日間は終始晴れ!
稜線歩きをしたくてしたくて、ずっと計画立ててた鳳凰三山。やっと来れたことと、山たちの美しさと風の優しさ。そしてやっぱりオベリスクのかっこよさったらもう。だって普通こんな川のところから頂上の岩とか見えないもん、でも見えてるし!!

ここまで来たら鳳凰山荘はもう目と鼻の先です。カラマツの間を抜けるとパッと拓けて、15:00過ぎにどうにか到着。

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鳳凰山荘に着いた15時過ぎ。人がたくさんで街かよってくらいの賑わい)

この日は体力を使い果たし、テント張る間も足が釣りまくり。これは明日へいきかねと本気で不安になるほどでした。眠気と戦い必至に飯を作りは食い、たくさん寝たのです。少しでも調子を取り戻したい一心で。

鳳凰山荘はちらっと顔だしただけであまり見て回れず。でもまあとにかく人が多くて活気がありました。時期や天気もあるのだろうけど(前の週が台風でテント場はゼロだったようです)、あそこまで人口密度の高い山荘は初めてかもしれない。


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(事前に調べていたものの。土曜の15時過ぎでラスト3張でぎりぎりセーフ。25張のところに40~50張は入っているのでは・・・。フェス並みのこの状態にはさすがにびっくり。どのテントもテンション張れず、ペグすらまともに打てずな状態。だが山の人々は強くたくましい。けらけらしながらいい匂いの料理が至るところで)

たくさん寝た翌朝、前日の教訓から焦らずにしっかりと飯を食い水を満タンに汲んで、7:00頃の遅いスタート。

山荘からの樹林帯を20分も歩くと、地蔵ヶ岳までは砂の急登に変化して行くのだけど、山荘〜頂上までは小一時間ほどで着いてしまいます。その地蔵岳山頂からオベリスクはさらに15分ほどの距離があるので、皆さんザックを置いてわらわらと向かって行くのです。その途中、北西には甲斐駒ヶ岳、南に富士山、そして間近に観音岳がばーんと見えておりました。


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鳳凰山荘から登ること20分ほどで白砂の急登ポイントに。抜け切るとそこにはほらオベリスク!)

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(地蔵ヶ岳 アカヌケ沢ノ頭を少し登ったところから振り返りのパシャリ。かっこいい・・・)

オベリスクは脇から少し入るところまでは徒歩で行けます。でも巨石に遮られて360度と言うわけでもないのと、なにしろ目の前の観音岳に続く道が、もう呼んでいるのよね。

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観音岳へつづく稜線。ここを歩くことをずっと夢みてた)

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(たいぶ観音岳よりに登ってきたところで振り返りのパシャリ。まだ見えますオベリスク

ここから観音岳薬師岳は、白砂の道をとことこ稜線をいくわけなのだけど、やはり樹林帯を歩くのとは全く違う、空がそこにある道は、本当に気持ちが良い。なによりも本当に晴れてくれてよかった!


右手方面にはずっと北岳間ノ岳が見えていて、この山々の中を小さく歩むことが、人と岩と星と時間と・・・いろんなものが混じってすげーなーとか考えていると、ふっと風が吹いて生き物を感じて・・・それはそれは素晴らしい時間をくれる求めていた稜線そのものでした。

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(右の一等高いのが北岳、少し左が間ノ岳。ずっとこっちを見てる、歩いても歩いてもこっち見てる)

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(タクシー相乗りさせていただいた方たちとばったり。後ろから記念にパシャる。あざました!前の方に踊るように映るのはトレラン5人組。よく走れるね〜)


急いでいたわけでもないけど、観音岳の山頂は思っていたよりも狭かったのと人が多い時間だったので、記念写真とパノラマをちらっと撮りすぐに薬師岳に。薬師岳は左手に見えるのが本来の山頂なのだろうか?徒歩で行けた一面の白砂は広く、何人かの人もくつろいでいた。

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(こちらは薬師岳の山頂。一番高いところはたぶん写真の先のところ)

私も青木鉱泉15:00のバスにぎりぎりという時間帯だったが、いざとなれば17:00のバスにして温泉入るのでも良いかと…。

コーヒーを挽きとっても暑い中、あっついのをゆるりといただきました。時間に余裕があれば、毎回地味に続けている山頂コーヒーを辞めるわけにはいかなかったのですね。

薬師岳からは、青木鉱泉は3時間45分の看板。
道中心変わりして、どうして15:00に間に合わす!と笹の道の残り1時間40分の看板まではわりと早く進み、残りを計算したら余裕もありペースを落としもしなかったのだが、ぜんぜん間に合わずに、最後の砂利道で14:56から20分くらい座り込んで脱力した。

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薬師岳~中道経由での青木鉱泉は最後に青木川にぶつかる。増水により道順がかわるようです)

最後の鉱泉には砂利道の途中で右折して森の中を抜け川沿いを超える必要がある。また鉱泉についてから山荘内も少し歩くので、薬師岳からは4時間はみた方がいいかと思われます。
鉱泉に着いて水不足の身体に、珍しくコーラなんて飲んじゃった。
無事に降りてこられて空は真っ青で幸せでしたよっと。
晴れれば山行はまずラッキーに違いないのだけど、本当に楽しかった。

相乗りしてくれた東京からの二人組、ちょこちょこ道中も写真撮ったり撮られたり。少し話できたことも嬉しかったですよ。

薬師岳山頂で淹れたコーヒーを一口下さいとせがんできた若いカップルの子たち。これがクセになるとULより道楽寄りになりますので気をつけて。

帰りしな青木鉱泉でザックやテントの話をした大阪からのお兄さん、そんな話大好きで楽しかったです。温泉のがしたけどねw

皆さまありがとう、またどこかの山で会えたらいいですね!

次は稜線沿いにずっとこちらを見ていた北岳間ノ岳に行きたいな◎



★メモ 

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(最近出番の多い Hyperlite Mountain Gear 2400 Windrider)
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(軽量化はされつつあるものの荷物の量がなかなか減らない…)
 

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▼日程
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【1日目】
青木鉱泉(10:00)・・・南精進ノ滝(11:40)[休憩 10分]・・・五色ノ滝(14:20)[休憩 10分]・・・鳳凰小屋(15:15)

【2日目】
鳳凰小屋(06:50)・・・地蔵ヶ岳 アカヌケ沢ノ頭(07:45)[休憩 55分]・・・観音岳(10:10)[休憩 55分]・・・薬師岳(10:40)[休憩 50分]・・・御座石(12:25)[休憩 5分]・・・御座石(12:25)[休憩 10分]・・・中道登山道入口(14:45)[休憩 20分]・・・青木鉱泉(15:25)


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▼他 いくつかの下山プランをノリで動こうと思い事前に調べていたことなどのメモ。
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◆バス(季節限定)1700円
http://www.y-c-k.com/tozan.html
◎行き
韮崎 9:45 → バス → 青木鉱泉 10:40着
http://www.y-c-k.com/tozan.html
◎帰り
青木鉱泉 15:00発 → 韮崎 15:55着
青木鉱泉 17:00発 → 韮崎 17:55着
◯夜叉神峠 経由
http://yamanashikotsu.co.jp/noriai/hirogawara/2018hirogawara.htm

◆山小屋
◎青木鉱泉 1150m
https://www.mountaintrad.co.jp/yamanashi/aoki/aokikosen/data.html
・バス 韮沢駅経由
テント場 50張 650円 / 駐車場 100台 750円 / お風呂 1000円
山小屋収容人数 100名 / 水場、水洗トイレ、炊事場あり

鳳凰小屋 2400m
http://houougoya.jp/
テント場 25(~45)張 500円 / ビール 600円 ジュース類 300円 / 山バッジ 700円 ポテチ・クッキー 400円
山小屋収容人数 150名 / 水場、バイオトイレあり
※設備も整いきれいな山小屋。歩いて数分のところに美味しい湧き水あり。
※テン場は15:00くらいまでに入らないと一杯になる。テント張れない場合は小屋泊2500円を案内しているとのこと。更地でペグ必要。トンカチを貸してくれる。

薬師岳小屋 2720m
テント場、水場なし / 山小屋収容人数 60名 / トイレあり
※16:00までに到着のこと

◎南御室小屋 2420m
テント場 50張 500円 / 山小屋収容人数 70名 / 水場、バイオトイレあり

◎夜叉神小屋 1790m
・バス 甲府駅経由
テント場 15張 500円 / 山小屋収容人数 15名 / 水場(往復30分)、バイオトイレあり


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▼特に注意というものでもないけど
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Softbankは青木鉱泉に入った時点からほぼ電波入らず。地蔵岳山頂などでは電波はあっても通信はまずできない。
◎登山道か林道か怪しいところが数箇所。赤印を意識していきましょう。
鳳凰山荘のテント場はこの土曜も25張のところに40-50張詰め込んで 15:30くらいで隙間なし。(ほぼテンション張れずペグもよそよそしく打つ感じ) なのでなるべく早く着くことをお勧めします。
鳳凰山荘から中道で下る場合は、水の補給が出来ない。終盤残り35分くらいの廃屋に湧水があるが飲めるかどうかの表記はなし。浄水器があると良い。
◎中道から青木鉱泉に帰る直前の川にあたると岩に大きく →の赤ペンキがあるが、青木川の増水時はペンキの左に真っ直ぐ行く。木の橋を渡ると対岸の石畳の階段が見える(赤印あり)えええ?と思ったけど、川を飛び超えるのが正解。気をつけて。